リオ五輪の団体では8位に終わったフェアリージャパン(写真/gettyimages)
リオ五輪の団体では8位に終わったフェアリージャパン(写真/gettyimages)

 メダル獲得を目標にかかげて東京五輪に臨む、新体操・フェアリージャパンPOLA団体(杉本早裕吏、横田葵子、熨斗谷さくら、竹中七海、鈴木歩佳)。2016年リオデジャネイロ五輪では1種目のリボンでミスが出て8位と出遅れたことが響き、2種目合計でも8位に終わっている。

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 東京五輪の団体メンバーの中で、リオ五輪に出場しているのは杉本、横田、熨斗谷の3人。竹中は補欠としてリオに帯同していたが、本番でフロアに立つことはなかった。

 リオ五輪から約一年後、2017年7月に行われたフェアリージャパンPOLA団体の公開練習を取材する機会があった。その際、竹中は「生で見ると、映像では伝わらない部分、選手の表情やエネルギーも伝わってきて」とリオ五輪で観た各国の演技を振り返り、東京五輪に向け「『次は絶対に出たい』という思いが強くなりましたね」と語っている。

 また、熨斗谷は競技人生での一番の思い出としてリオ五輪を挙げていた。

「オリンピックを目標にずっと練習してきて、集大成として出場できたことは、本当にまだ実感もわかないくらい。夢だった舞台に立てたのは自分の人生の中で一番大きな出来事だと思うんですけれども、その反面、やっぱりリオでは結果が残せなかった悔しい思いがすごく残っている。良くもあり、悪くもある、一番の思い出です」

「最初は『リオで引退する』と考えていたんですけど、やっぱりそこで悔しい思いをして。『オリンピックに出るからには、メダルを獲らないと意味がない』と痛感しました。『オリンピックの舞台でメダル獲得』を達成したい、という思いがすごく強くて、東京オリンピックのメダルを目指して、今は頑張っています』

 リオ五輪で悔しさを味わった後も、フェアリージャパンはロシアでの武者修行など、地道な強化を積み上げてきた。その成果が現れたのが、2019年世界選手権(アゼルバイジャン・バクー)だ。団体日本代表は、総合と種目別フープ・クラブで銀メダル、種目別ボールでは史上初の金メダルを獲得。メダルを争うライバル国に失敗があったとはいえ、今の日本がロシア・ベラルーシ・ブルガリア・イタリアなどヨーロッパの強豪国に肩を並べる位置につけていることは間違いない。

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フェアリージャパンに立ちはだかるロシア