7回1失点と好投した大谷翔平(写真/Gettyimages)
7回1失点と好投した大谷翔平(写真/Gettyimages)

「大谷ロス」そんな言葉がSNS上をにぎわすようになったのは7月下旬のことだった。東京五輪が始まり、それまで大谷の出場試合のほとんどを中継していたNHKは五輪の試合放送にシフト。大谷の試合をテレビで観戦する機会は激減した。

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 五輪開始以降、ツイッターでは「五輪より大谷翔平」「大谷の笑顔をみせてくれ」という悲鳴にも似たつぶやきが投稿された。スポーツ紙の報道によると、NHKは五輪期間中にもBS1で数試合を放送すると明らかにしたようだが、大谷の熱狂的なファンからすれば、以前のように大谷の活躍を生で見たいというのが本音だろう。

 大谷は26日(日本時間27日)、本拠地でのコロラド・ロッキーズ戦に先発投手、2番DHとして出場。第一打席に先制点となるタイムリー安打を放ち、投手としては7回5奪三振無四球、5安打1失点と好投。エンゼルスは6-2で勝利し、大谷は5勝目をあげた。

 そんな大谷ではあるが、オールスター後はいまいち調子が上がらないようだった。事実、オールスター後の6試合で14三振を喫してしまっている。翌23日の試合でも、球宴後では初めて先発メンバーから外れ、現地からは「不調なのでは」という心配の声も上がりはじめている。

 だが、後半戦はまだ始まったばかり。25日(日本時間26日)のツインズ戦では「2番・DH」で出場し、35号を放った。エンゼルスの地元紙『オレンジカウンティ・レジスター』のジェフ・フレッシャー記者は自身のSNSで、「サンプル数が少なすぎて取り乱すには早すぎるが、注視はすべき」と述べ、注目はすれど騒ぎ立てるほどではないとくぎを刺すが、同記者の言う通りである。

 たしかに、前半戦の特に終盤は、打撃も絶好調でホームランも連続で放っていた。だが一方で、前半戦でもホームランが何日も出なかったこともあり、今が特別悪いということは一切ない。また、投手としては、後半戦で初めて登板した19日のアスレチックス戦では、6回3安打無失点、8奪三振という見事な投球を披露しており、「大谷は不調だ」と断言するにはまだ早い。

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