ヤクルト・高津臣吾監督 (c)朝日新聞社
ヤクルト・高津臣吾監督 (c)朝日新聞社

「順位が気にならないと言ったらもちろん嘘にはなりますが、まだ(シーズンも)半分なので深くは考えてないです。もちろん終わった時に『一番上』に立てるように、1つでも上(の順位)に行けるようにとはずっと考えてますけども、まだまだこれからいろんなことがあるでしょうし、まだまだ嬉しいことも悔しいこともたくさん待ってるでしょうし……。まあ、一喜一憂しちゃいかんのかもしれないですし、目の前の試合をしっかり勝たなきゃいけないという気持ちと、ちょっと矛盾したところがありますけども『順位はそれほど気にしてない。ただ、気にはしてる』というような感じです」

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 今季前半戦、本拠地の神宮では最後の試合になるはずだった7月11日の広島戦を雨で流すと、ヤクルトの高津臣吾監督はそう胸の内を明かした。その後、1日置いて行われた2位・巨人との2連戦(東京ドーム)に連勝し、3位のヤクルトは42勝32敗9引き分けの貯金10でシーズン前半を終了。貯金を持ったままペナントレースを折り返すのは、小川淳司監督(現GM)の下で終盤まで首位を独走した2011年以来、10年ぶりのこととなる。

 一昨年、昨年と2年連続で最下位に沈んでいたことを考えれば、ここまでの戦いには「あっぱれ!」をあげたいところだが、まだ早い。東京五輪開催による約1カ月の中断を経て迎えるシーズン後半戦を前に、2位・巨人と0.5ゲーム差、首位・阪神とも2.5ゲーム差と、逆転優勝も十分に狙える位置にいるからだ。

 では後半戦、2015年以来6年ぶりの優勝を目指す上で、カギになりそうなものとは? まずはチーム打率こそリーグ3位の.255ながら、同2位の87本塁打、そして1位の1試合平均4.4得点を挙げている打線から見てみよう。

 前半戦、ヤクルトにとって大きな“補強”になったのが新外国人のホセ・オスナとドミンゴ・サンタナだ。2人は共に4月下旬に一軍に合流し、試行錯誤を経て昨年は打線の“泣きどころ”だった五番にオスナが座ると、打率.315、9本塁打、さらにチーム3位の33打点をマーク。「恐怖の七番」サンタナも打率.290、7本塁打、28打点に加え、得点圏打率では.315とオスナを上回る。そんな2人の働きを、高津監督も「ランナーを置いたところでのバッティングをすごく期待してるので、今はその期待に非常に応えてくれてると思います」と高く評価している。

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思えば前回優勝の2015年も…