ただ、相撲ファンの反応は芳しくない。SNS、ネット上では「白鵬がとった攻撃はかちあげで無く、あれはサポーターを擬した武器使用してのエルボースマッシュ、張り手で無く殴り合い、そんな相撲技とも言えない攻撃は喧嘩と同じ。勝てば何でもありでは単なる格闘技。行司はその場で反則負けを言い渡すべき。相撲は日本の国技で神聖な物。行事のレベルも落ちたもんだ。相撲協会も大丈夫か?理事長がだらしない。ダメだと云いながら認める判定となってる。国民として改革を望む(原文ママ)」、「勝利への執念を見せる事と、相手を怪我させても構わない行動を取ることは違う。ルール違反じゃなければいいじゃないかという声もあると思うが、お互いに尊敬し合う中でやっちゃいけないことはしないから、スポーツとして清々しいのではないか。白鵬のやり方はスポーツでは無くケンカ。評価する声もたくさんあるが、私は全く評価する気にならない。照ノ富士には尊敬される横綱になって欲しい(原文ママ)」など批判の声が。「白鵬の右のかちあげはエルボーだよ。他の力士は許されないのに。これだけ立派な数字を残しても、相撲道とかけ離れた取り組みでは誰からも称賛されない。朝青竜を超える最悪のヒールになったね。晩節を汚していることに気づいてないのかな。相手を敬って堂々と横綱らしい相撲で負けて引退した方がよっぽど心を揺さぶられるよ(原文ママ)」という指摘も見られた。

 白鵬は取り組み後の優勝インタビューで、「右ひざがボロボロで言うことを聞かなかったので、この一番ですべてをかけようと思って気合い入れてやりました。まさかこの年で、全勝で優勝できるなんて、場所前は思わなかったので本当にホっとしている。最高です」と安堵の表情を浮かべた。今後の目標を聞かれると、「これで横綱として899勝。あと1勝で900勝なので1勝目指して頑張っていきたいと思います」と誓った。

 批判の声は多い。だが、勝ち続けたことで強さを改めて証明した白鵬。他の力士はこの現状をどう思うか――より一層の奮起を期待したい。(牧忠則)