こうした現状を放置できないと、国会では今年6月に銃砲刀剣類所持等取締法の改正案が衆院本会議で可決、成立した。これによりボーガン(クロスボウ)の所持は、都道府県公安委員会の許可が必要となる。

 使い道は、スポーツの標的射撃や動物の治療に際する麻酔などに限定。用途外の使用は認められず、使用場所も安全性が確保できるところに限定された。しかし、またも事件が起こった。

「ボーガンは、ネット通販などで手軽に購入できることから近年、犯罪に使用されるケースが多い。以前は犬や鳥など動物虐待が中心だった。それが宝塚の事件以降、人に向けられることも増えてきた。法改正で少し落ち着くかと思っていたが…」(前出の捜査関係者)

(AERAdot.編集部 今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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