ある市政関係者は、小此木氏がIR反対派として出馬した結果、「林氏を利する状況になる可能性もある」とみる。

「人気の落ちている林氏が当選するには、反対派の乱立に期待するしかない。仮に反対派で7割を占めたとしても、前回(2017年)当選した時に約60万票を獲得した林氏なら、有効投票総数の25%以上の30万票くらいはとれるだろうという目算です。残りの票を乱立した反対派候補者で食い合えば、林さんの得票に及ばない可能性があるのです」

 IR反対派は、支持基盤や知名度のある、山中氏、郷原氏、田中氏のほかにも、市議の太田正孝氏(75)、動物愛護団体代表理事の藤村晃子氏(48)、水産仲卸会社社長の坪倉良和氏(70)が立候補予定。票が分散することは避けられない。

 とはいえ、選挙は水もの。何が起こるかわからない。市政関係者は次のようにも話す。

「どこまで林氏の人気が落ちているかは想定が難しいので、選挙の行方はまだ読めないところです」

 果たして、林氏の再選へと情勢が傾くのか。菅首相と「兄弟分」の小此木氏が強みを発揮するのか。それとも、反対派がまとまって風が吹くのか。今後の展開が注目される。(AERAdot.編集部 岩下明日香)