■高校では全クラスの男子が見に来ていた

「16歳で女優デビューして最初は順調だった芳根さんですが、次第にオーディションに受からなくなった時期があったといいます。そのとき『自分のせいではなくご縁がなかったからだ』と決めつけていたら、マネージャーから『今、辞めても事務所にとって得も損も何もない』と怒られたことにカチンときて、『事務所が困るぐらい大きくなって辞めてやる!』と決心したそうです。時には厳しい現実を突き付けられる女優業において、そんな気の強さはプラスでしょう。演技力は折り紙付きで、ルックスも正統派の美形。あとは代表作に巡り合えるかどうかでしょう」(前出の編集者)

 芳根の美貌ぶりはデビュー当初から有名だったようだ。

「古風な雰囲気の可愛らしさがあり、ビジュアル的にも逸材です。先日放送されたトーク番組では、高校時代の同級生が『美少女だったので、全クラスの男の子がきょんちゃん(芳根)を見にのぞいてたのを覚えてます』と明かしてましたね。やはり、人気女優になる人は学生の頃から光っているものです。撮影現場ではメークさんからのオーダーに『なんでも大丈夫です』と答え、スタッフが驚いたというエピソードもあります」(同)

 ドラマウオッチャーの中村裕一氏は、彼女の魅力についてこう分析する。

「一見、おとなしいお嬢様タイプに見えますが、内に誰にも負けない情熱やアツい気持ちを秘めた、かなりの努力家だと思います。見ているうちに思わず応援したくなる不思議な魅力を持っており、代表作であるドラマ『海月姫』や、2019年放送の『チャンネルはそのまま!』といった“巻き込まれ型”の群集劇や、“受け”の芝居で力を発揮し、存在感を放つタイプではないでしょうか。前クールのドラマ『半径5メートル』では女性週刊誌の編集者として、取材相手に寄り添う繊細な心情を見事に表現していました。朝ドラのヒロインを立派に務め上げただけあって、女優としてのポテンシャルは申し分ありません。今後もアグレッシブにいろいろな役にチャレンジして、さらなる高みを目指してほしいですね」

 派手さはないが、清潔感や品の良さも感じられる芳根。老若男女問わず好かれるタイプで、好感度の点でも問題なし。次世代を担う女優として、ますます注目を集めそうだ。(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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