6月11日の事務連絡とは、すでに既報した内閣府地方創生推進室と内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室が各都道府県宛に出した通達文書だ。

「酒類の提供停止を伴う休業要請等に応じない飲食店との取引について」と題した箇所には、こう書いてあった。

<飲食店が同要請等に応じずに営業を続けていることを知りながら取引を行っている酒類販売事業者について、支援金を支給することは適当ではありません>

<都道府県においては、月次支援金が給付要件を満たしているかどうかを確認する宣誓・同意書を申請者に求めていることを参考に、酒類販売事業者に対して、飲食店が要請に応じていないことを把握した場合には取引を行わないよう努める旨の書面の提出を求めるなどの取組みを行うようお願いします>

 西村大臣は休業要請などに応じない飲食店に対し、金融機関を使い“圧力”をかけると発言し、大炎上したが、この都道府県を通じた要請も全く同じ図式。約1か月前から”圧力”ははじまっていた。政府関係者はこう解説する。

「これも政権、内閣官房と内閣府による地方自治体を使った飲食店への”圧力”です。内閣府地方創生推進室は各都道府県への配る交付金を握っていますから、自治体は従わざるを得ない側面がある。この要請は事実上、『命令』です。こうした通達は菅首相をはじめ、関係閣僚はもちろん承知の上です」

 皮肉にも、今回こうした”圧力”があったことが明るみに出たきっかけは、“菅親衛隊”からのツイートだった。川松真一朗都議が14日朝に、東京都の酒類販売業者に対する支援給付金の誓約書に関して、こう糾弾するツイートを投稿していた。

<西村大臣発言ばかりがマスコミやSNS上で展開されているが、東京都の酒販業者が支援金給付を申請する際、「酒類の提供停止を伴う休業要請等に応じていないことを把握した場合には当該飲食店との取引を行いません。」を誓約させる事になっている。こうやって締め付けを行なっている都政>

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菅政権はどう弁明するのか?