■未破裂で発見し治療も可能

 発症を未然に防ぐにはどうしたらいいだろうか。原因となる脳動脈瘤の発生・破裂のリスクを減らすには、禁煙や適度な飲酒につとめ、高血圧の治療なども必要だ。

 近年は脳ドックの普及で未破裂脳動脈瘤が見つかることも多くなった。破裂前に見つかれば、くも膜下出血を発症する前に治療可能だ。治療技術の進化で、頭を開けずにおこなえる血管内治療などからだに負担の少ない治療も可能になっている。

「未破裂脳動脈瘤の発生率は成人の2~3%とされています。血縁者にくも膜下出血の既往歴があれば、40歳を過ぎたら一度は脳ドックを受けておくといいでしょう」(同)

 くも膜下出血は再発率も高い。治療を受けた動脈瘤の再増大や別の場所に新たに動脈瘤ができて破裂することもある。発症を経験したら、担当医と相談して定期的に頭部MRIなどで脳血管の状態を検査すべきという。

「定期的に検査をしていれば、動脈瘤が新たに見つかっても破裂前に治療できます。発症後も年に1度は検査を受けておくといいでしょう」(同)

(文・石川美香子)

週刊朝日 2021年7月23日号より