16位の柏も心配だ。昨季は7位でフィニッシュしたが、その原動となった昨季の得点王&MVPのFWオルンガが流出。その穴を埋められず、開幕8試合を1勝1分6敗スタート。その後3連勝を飾ったのも束の間、5月1日から6月23日まで8戦未勝利(1分7敗)が続いた。さらに6月25日には昨季9得点10アシストの活躍で日本代表にも選ばれたMF江坂任の浦和への移籍が発表され、7月3日には今季12試合4得点のFW呉屋大翔が残留争いのライバルである大分へ。 “オルンガマネー”で獲得しながら低調なパフォーマンスが続いた4人のブラジル人たちが、7月11日の鹿島戦では躍動して2対1の勝利に大きく貢献したことは朗報だが、22試合を終えて勝点20(6勝2分14敗、得失点差-10)は危険な状況。就任3年目のネルシーニョ監督の求心力の低下も非常に気になるところだ。

 その他、7月11日終了時点で、開幕前に主力が大量流出した湘南は勝点21(4勝9分9敗、得失点差-5)の14位、ロティーナ新監督を招聘した上でオフに積極的な戦力補強を敢行した清水も勝点23(5勝8分8敗、得失点差-6)の13位と不安な位置。さらに5月2日以降のリーグ戦6試合を3分3敗の未勝利となっているC大阪も、消化試合が18試合と少ないとはいえ、勝点23(6勝5分7敗、得失点差+2)と下位グループから抜け出せていない。そして開幕前に多くの評論家が降格候補に挙げながらも4月17日から5月22日までJ1クラブ新記録の6連勝を飾った福岡も、5月26日に最下位・横浜FCに1対1と引き分けると、続く大分戦から4連敗。現在、勝点29(8勝5分8敗、得失点差-3)とまだ余裕はあるが、中断期間中にチームの戦い方を再構築することができなければ、一気に降格圏に引きずり込まれることになる。

 今後、延期分の試合を例外として、東京五輪開催によってリーグ戦は一時中断し、8月9日の第23節から再開となる。この期間を各クラブがどう有効に使うか。本来ならば、夏の移籍期間(7月16日~8月13日)に外国人選手を獲得して後半戦の“救世主”として期待したいところだが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で外国人の入国が制限されており、特例入国が認められても隔離期間が必要なために試合出場は早くても9月以降になる可能性が高い。果たして、最終的にどの「4チーム」が降格するのか。まだまだ巻き返しのチャンスは多くあるとはいえ、危機はすぐ背後にまで迫ってきている。