家庭の協力も必須で、時間を見つけて家事や育児を引き受ければ、理解も得やすい。

 履修期間は修士課程2年、博士課程は3年に及ぶ。大学院で学ぶ期間は長期にわたるので、時には息抜きの時間を設けることも必要だ。

 東京都立大学大学院経営学研究科博士前期課程2年の大友美佳さん(40歳)は、スケジュール管理を上手に行い、仕事と学びを両立させている。大友さんは、現在エネルギー関連の企業で人事を担当している。

「人事業務に携わって10年という節目を迎え、学び直したいという気持ちが強くなりました」

 経営は門外漢だが、人事としてサポートするために、もっと経営の知識を深めたいと感じていたという。会社が2019年に企業理念を刷新し、新しい理念を推進するプロジェクトメンバーに選ばれたことも大学院進学のきっかけになった。志望校は一本に絞った。

「高尾義明先生という企業理念研究の権威がおり、絶対高尾先生の下で学びたいと思いました」(大友さん)

 11月の説明会に参加し、翌年2月の入試に向けて過去問を解いたり、指導教授の論文を読み込んだりして備えた。会社には事前に伝えており、合格を伝えたところ「最大限バックアップするから、がんばって」と、激励されたという。

 博士前期課程の1年前期は週に3~4日の履修だったが、コロナ禍でオンライン授業が続いていたこともあり、後期は「受けられるだけ受けてみよう」と、週5日間に増やした。1年次の平日は1~2コマ、土曜日は4コマ履修していた。グループワークやディスカッションなど、アクティブな学びが多いという。

「どの授業も面白いですが、とりわけ1年前期のグループ研究が面白かったです。先生からテーマを与えられ、戦略、経営組織、マーケティングにグループが分かれて文献を調べたり、調査したりして担当の研究を行います。成果物を持ちより、まとめ上げて発表しました。授業が終わった後、深夜までディスカッションすることもあり、楽しかったです。学会発表も貴重な経験になりました」(大友さん)

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