広島・鈴木誠也 (c)朝日新聞社
広島・鈴木誠也 (c)朝日新聞社

 東京五輪で侍ジャパンの4番に最も近いとされる広島・鈴木誠也は、同時に「メジャーに最も近い日本人野手」とも言われている。

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 鈴木は、史上4人目の5年連続打率3割、25本塁打以上とプロ野球史上4人目の記録を樹立し、19年に打率.335で首位打者を獲得した。外野からの強肩は球界屈指で守備力にも定評がある。以前からメジャーに興味を抱いており、今オフにポスティングシステムによるメジャー挑戦を球団に志願する可能性がある。

 ただ、メジャーのあるスカウトは「鈴木の評価は難しい」と語る。

「良い選手であることは間違いない。国際試合でも彼の類まれな打撃センスを何度も目の当たりにしてきた。ただ、日本人野手は米国で思うような結果を残せていないという現実がある。大谷翔平は別格で、他の選手たちは日本で活躍した時のような能力を発揮できていない。黒田博樹、上原浩治、岩隈久志、田中将大、ダルビッシュ有、前田健太…メジャーで活躍した日本人投手は制球力がいいので実績を作って信用されているが、野手はスピードとパワーで見劣りしてしまう。成功したと言えるのはイチローと松井秀喜ぐらいだろう。他にも活躍した選手はいるが長続きしていない。日本人野手の市場価値は高くないのが、現実なんだ」

 今月8日にはドジャース・筒香嘉智がメジャー昇格可能な40人枠から外された。DeNAで通算205本塁打を放ち、侍ジャパンでも4番として活躍したが、メジャーでは挫折を味わっている。レイズで主力として期待されたが、昨年は打率.197、8本塁打、24打点。2年契約最終年の今季も26試合出場し、打率.167、0本塁打、5打点とふるわない。5月11日にロースター40人枠から外れ、ドジャースにトレード移籍したが、打率.120、0本塁打、2打点。6月9日に右ふくらはぎの張りのため負傷者リスト入りし、その後はマイナーでプレーしていたが打率.138、3本塁打、7打点と復調の兆しが見られなかった。

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