もとゆき:僕が書くとしても、こういう答案になると思います。これじゃ駄目ですか?

今道:この答案の問題点は第二段落ですね。第二段落の取り組みが、全体に漠然としています。間違ったことは書いていないけれど、これでは弱いです。

もとゆき:そうなんですか?

今道:例えば、「インターネットの利用は便利な面だけでないことを教え」「自分の身は自分で守らなければいけないことを指導していく」って書いてますけど、そのために何をどうすればいいんです?「家庭でも子どもたちのインターネット利用について気を配ってもらい」にしても、「そのために何をどうすれば良いのか」が何もないです。私は全然イメージできないです。

もとゆき:うーん、厳しいけど、そうかも……。

今道:例えばですが、次のように書き替えたらどうなります?

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【修正例】
 中学生の多くがスマートフォンを持つ時代となり、インターネットを学習や生活に活用することは当たり前のこととなっている。一方で、犯罪に巻き込まれたりSNSでのいじめに繋がったりと、様々なトラブルも報告されている。教員として、生徒がインターネットを適切に使えるように取り組むことは重要である。そこで私は次のようなことを実践したい。
 まず、インターネットの利用に潜む危険性とその対応策を生徒と保護者に伝えたい。ホームルームの時間を使って、インターネットの掲示板にアクセスして性犯罪に巻き込まれた事例や、不用意に自分の画像を送って拡散してしまった事例があることを伝えていく。インターネット利用のリスクを教え、安易に個人情報を送らないこと、インターネットで知り合った人と直接会うことはくれぐれも控えることを指導する。また、保護者に対しても学級通信やPTAの場などで、このようなインターネット利用の危険性を伝え、子どものスマートフォンにフィルタリングの機能をつけることや、親の目の届く範囲でインターネットの利用をさせるようにお願いをする。
 次に取り組むこととして……
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もとゆき:あー……、すごくわかりやすいです。状況がはっきり目に浮かびます。

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最初の答案では具体化が不十分