中日の選手たちにパンチ力がないわけではない。高橋周は東海大甲府で高校通算71本塁打をマーク。平田も大阪桐蔭で史上4位の甲子園5本塁打を放つなど、高校通算70本塁打で世代を代表するスラッガーだった。高橋、平田は中日入団後に中距離打者になっている。プロで生きる道を模索した結果、たどり着いた打撃スタイルで共に打率3割をマークしていることから決して間違いではないのだが、村上、岡本和真巨人)、生え抜きの長距離砲がいない現状に寂しさを感じる。

 レギュラー定着が期待される根尾昂も1軍の壁にぶち当たっている。今季打率.168、1本塁打、12打点。5月までは期待も込めてスタメンで使われていたが、6月以降はベンチを温めている機会が増えている。同世代は広島の小園海斗、林晃汰、羽月隆太郎が打撃でアピールして台頭している。根尾をどう育てるのか、球団のビジョンも重要だ。

 落合政権で黄金時代だった時は投手力を中心に守備力も固かった一方で、ウッズ、和田一浩、森野将彦と強打者がそろい相手投手は息が抜けない打線だった。後半戦の巻き返しへ、中日打線の爆発を期待したい。(牧忠則)