中日・与田剛監督 (c)朝日新聞社
中日・与田剛監督 (c)朝日新聞社

 中日が借金9と厳しい戦いが続いている。低迷の要因は貧打だ。8日の巨人戦は柳裕也が8回無失点の快投で1-0の完封勝利と9カードぶりのカード勝ち越しを決めたが、打線がつながる雰囲気が全く感じられない。

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7月の6試合はすべて3得点以下で総得点230はリーグワースト。投手陣はリーグトップのチーム防御率3.20と奮闘しているが、援護がなく見殺しにされる試合が目立つ。

「クリーンアップで期待された新外国人のガーバー、平田良介がファーム暮らし、主力の高橋周平、阿部寿樹らの調子も上がってこない。相手球団からすればビシエドと大島洋平を抑えれば乗り切れる状況になっている。球場が広いナゴヤドームであることを差し引いても、これだけ打てないのは酷すぎる。投手陣は先発に大野雄大、柳、小笠原慎之介、勝野昌慶と質の高い投手がそろい、救援も又吉克樹、R.マルティネスが防御率0点台と抜群の安定感です。打線が機能すれば首位争いをしてもおかしくないチームですよ」(スポーツ紙デスク)

 与田監督が就任して今年が3年目。就任1年目が5位、2年目が3位と8年ぶりのAクラスで勢いづくと思われたが、閉塞感が漂う戦いぶりにチームとしての限界も感じさせられる。SNS、ネット上では「ベンチにいる選手を使いまわしているだけ。阿部、高橋周平も不振が続くんだったら、スタメンからもっと早く落とさないと。打つ手がすべて遅いように感じる。与田さんは投手コーチの方がいいと思う(原文ママ)」、「あまりにも頑なまでに使い続ける選手が居る一方でロクなチャンス(旬を見極めた起用)も与えず、さっさと下げる選手も居る。思い入れ思い込み起用は止めて欲しいものだ(原文ママ)」と中日ファンから与田采配への不満が見られる。

 ただ、与田監督に責任を押し付けるのは酷な部分がある。中日は長距離砲が長年育っていないという課題がある。本塁打の出にくいナゴヤドームでミート能力を重視した打者が多いが、「長打がないと怖さがない。当てにいくより、村上宗隆ヤクルト)、佐藤輝明(阪神)のようにフルスイングされた方が嫌ですよ」と投手たちは口をそろえる。

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