「今日の梶山大臣の政治資金パーティーに参加しましたか」

 こう直撃すると、「政治資金パーティーじゃないよ、勉強会だ。うちは別のものが出席したとそう聞いている」と何度も勉強会と強調しながら話した。

 記者が「1枚2万円のパーティー券で、豪華な朝食が出るのですか」と尋ねると「梶山先生は経産大臣だ。勉強会か朝食会か別にして、欠席というわけにはいかない。コロナ禍?有名ホテルだから、コロナ対策は十分だろう。梶山大臣の話は、よくある政治家のパーティの話ですよ」

 梶山経産相の下、なし崩し的に原発の長期利用に向けた動きが活発になっている。東日本大震災後、新ルールで原発の運転期間は「原則40年」とされたが、運転開始から44年の関西電力美浜原発3号機(福井県)が6月に再稼働し、7月4日にはフル稼働。九州電力も40年を超える原発の再稼働を検討中だ。関西電力大飯原発3号機(福井県)も3日夜から再稼働している。

 梶山経産相という現職閣僚で、重責ある立場だ。「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」で<政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する>と定められている。最近でも、武田良太総務相が大臣規範で定められている、株や不動産の取引自粛を”破り”、地元の福岡県で住むために土地と建物を購入していたことが明らかになった。自民党閣僚経験者がこう怒る。

「コロナ禍で、今年は解散総選挙も必ずあり、どの議員も台所事情は苦しい。みんな政治資金パーティーを開催したくて、うずうずしている。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えなければいけない。率先するのは国会議員だと我慢している人は多くいます。それを現職閣僚の梶山大臣が敢行するというのは考えものだ。大臣規範破りだろう」

 衆院議員選挙に出馬した経験があり、東京地検の元検事だった落合洋司弁護士は「大臣規範」についてこう解説する。

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不祥事続きの経産省