■説明会、参加のポイントは?

 説明会の内容もさることながら、着目点として見逃せないのが、校長をはじめとする教員たちの雰囲気だと声をそろえるのは、声の教育社の後藤和浩さんと三谷潤一さん。

「教員同士の人間関係がよさそうな学校は、学校の雰囲気もいいものです。例えば校長の中には、説明会で自分の話が終わると会場を離れてしまう人と、着席して他の教員たちの話をうなずきながら最後まで聞く人がいます。もちろんお忙しい先生もいらっしゃるとは思いますが、後者のほうが学校としての一体感があって、いい学校だなという印象を持ちます。学校という職場環境のよさは、そのまま教育環境のよさに直結しますから、教員の様子はチェックしたいですね」

 齊藤さんは、個別に教員に話しかけてみることを提案する。

「先生との出会いも私立の魅力のひとつ。説明会ではぜひ積極的に話しかけてみてほしいと思います。何かひとつ共通の質問を用意して複数の学校に聞いてみると、その対応が比較できます。定期テストで成績が振るわなかったときは家庭でフォローしないといけないのか、補習があるのか、などを質問してみると、学校の面倒見のよさもわかります」

(文=深津チヅ子、岡田慶子<編集部>)

【話を聞いた人】
矢野耕平/中学受験指導「スタジオキャンパス」代表。27年にわたり中学受験指導を行う。著書に『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)ほか。

kanaharu/2019年に息子が、21年に娘が中学受験を経験。その経験とノウハウを伝承するサイト「僕らの戦略受験–超中流の逆襲–」を運営。

齊藤美琴/家庭教師、学習コーチ。SAPIXの個別指導部門・プリバート東京教室を経て独立。国語の指導ときめ細かい学習コーチングに定評がある。自身も中学受験を経験。

東広樹/早稲田アカデミー教務本部中学受験部次長。ExiVたまプラーザ校校長を経て2021年度から現職。志望校別対策コース「NN開成クラス」の副責任者も務め、多くの難関中学志望者を合格に導いている。

声の教育社 後藤和浩、三谷潤一/首都圏中学・高校の過去問題集を発行する声の教育社。過去問出版社ならではの情報をYouTube「声教チャンネル」で発信している。

『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2022』より

偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び 2022 (AERAムック)

朝日新聞出版

偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び 2022 (AERAムック)
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深津チヅ子
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岡田慶子
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