では、自律神経にとってよい深呼吸を紹介しましょう。

 それは胸式呼吸です。胸を大きく膨らませて深く大きな呼吸をすることは、脳脊髄液の流れをよくし、全身の神経の働きを高めてくれます。それだけではありません。内臓が活発に動くようになるという作用もあるのです。内臓にも筋肉が付いているので、体がリラックスすることで内臓の筋肉もリラックス、当然その機能も高まり弱った内臓がリセットされます。

 胸式呼吸をするときの注意点です。まずは吸うよりも吐くことを意識すること。吸うことを意識しすぎると過呼吸を引き起こすこともあるので注意が必要です。そして、脳が今リラックスしていると勘違いするまで3~5分は続けてください。脳に「今はリラックスしているんだ」と勘違いさせれば、副交感神経を高めるように体に指示を出します。2~3回大きな呼吸をするだけでは脳をだますことはできません。

 口から吐いて鼻から吸うことを意識しすぎるとかえって緊張してしまうので、鼻で呼吸すれば問題ありません。口から吸うのは、ダイレクトに汚い空気が肺に入ってしまうのでやめましょう。

 そして忘れてならないのが、正しい姿勢で行うこと。悪い姿勢を続けると呼吸に使われる筋肉が硬くなり、肺は膨らむ範囲を小さく制限してしまうのです。呼吸と姿勢は関係があると覚えておいてくださいね。(構成/生活・文化編集部)