その発言は瞬く間に大炎上した。

 自民党の二階俊博幹事長も麻生氏の「失言」を問われ、「問題外だからお答えいたしません」、「ゆっくり静養されて、また活躍してほしい」と不快感を示し、火消しに追われた。

 事前の都議選の情勢調査では都民ファの大敗が予想されていた。ボロ負けなら、小池氏の政治生命が問われかねない状況だったが、麻生発言で流れが変わったという。

「小池さんは自分が動けば、都民ファがまだ挽回できると踏んだのでしょう。今年1月の千代田区長選でも小池さんはコロナ禍で動けなかった。終盤で接戦になり、行けそうだと踏んだら自らがマイクを握り、都民ファの候補を勝たせた。これと似た展開になっている」(自民党の二階派幹部)

 小池氏は2日、予定されていた定例会見を一度はキャンセルしたが、時間を遅らせて開き、こう決意を述べた。

「どこかでバタッと倒れているかもしれないが、本望だと思ってやり抜く」

 一方、麻生氏の失言は続いた。森友学園への国有地売却に関連して、財務省から裁判所に提出された「赤木ファイル」についても”舌禍”を起こしている。

 麻生氏は6月25日の会見で、赤木ファイルについて「重複しているものがあるので、それは省きますよ」「重なった分も全部出せというなら、もっと点数は増える」と一部は抜いて提出したという趣旨の発言をした。

 その後、「間違っていた」「赤木さんの出されたファイルをそのまま出しています」と訂正したが、その後も発言の迷走が続いた。

「赤木さんが綴じられたんですよ、すべてをコピーして提出をした。綴じられていた文書から抜き取ったものはない。それで、答えになってんだろう」と逆切れした。

 また、7月2日の記者会見でも「赤木ファイルというものを、裁判所から出せと言われたので、そういうものはない」と赤木ファイルの存在を否定するかのようなコメントをした。そのため、懲りていないと再び炎上している。

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最終兵器の小泉進次郎氏の登場