※写真はイメージです(写真/Getty Images)
※写真はイメージです(写真/Getty Images)

 肌のはりやつやは、年齢とともに衰えていくもの……。実年齢に対して、肌が年相応の状態かどうかを測るために「肌年齢」という言葉が使われます。近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授の大塚篤司医師が、肌年齢を若く保つために必要な習慣について解説します。

【写真】業界人のオススメ 芸能人も愛用するハンドクリームはこちら

*  *  *

 皮膚科医として毎日多くの患者さんを診察していると、年相応の肌がどういう感じなのか、経験としてわかってきます。いわゆる肌年齢と呼ばれるものです。シミやシワ、水分保持量など、年齢にあわせて変化する要素を総合して肌年齢と呼びます。美容や化粧品の世界では広く使われている肌年齢ですが、残念ながら医学用語ではありません。

 では全くのでたらめな概念かというと決してそうではありません。日本抗加齢医学会というものがあり、加齢について基礎医学の研究から実臨床まで広く議論されています。先日、日本抗加齢医学会の総会がありました。老化を病気として捉えようとする動きが世界で加速しているようです。老化を病気と考え研究が進めば、治療もできます。学会に参加し、アンチエイジングの世界が驚くべきスピードで発展していることを感じました。なかでも皮膚は肌年齢とともにアンチエイジングの分野では重要な臓器と言えるでしょう。

 今回は肌年齢を若く保つために必要な習慣について紹介したいと思います。

【1】湿疹は素早く治す

 慢性の炎症は老化を促進します。皮膚も同様で、慢性炎症は肌年齢に関与します。肌を若く保つには、湿疹やニキビができたら素早く治しましょう。皮膚科では、湿疹を放置してゴワゴワ肌になってから受診される患者さんをしばしば診ます。慢性湿疹になると治すまでに長い期間を要します。また、ニキビは炎症が起きた早い段階で治療をしないと痕を残します。市販の塗り薬でも治らない場合は、早めに皮膚科を受診し、慢性炎症とならないようにするのが肌を若く保つ習慣の一つです。

【2】紫外線は浴びない

 紫外線を浴びて肌に良いことはありません。紫外線はシミやシワの原因になりますし、皮膚がんにもつながります。日常生活で紫外線から皮膚を防御する習慣を身につけましょう。

著者プロフィールを見る
大塚篤司

大塚篤司

大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員、2017年京都大学医学部特定准教授を経て2021年より近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。皮膚科専門医。アレルギー専門医。がん治療認定医。がん・アレルギーのわかりやすい解説をモットーとし、コラムニストとして医師・患者間の橋渡し活動を行っている。Twitterは@otsukaman

大塚篤司の記事一覧はこちら
次のページ