試合を前にゴールデンウィークには師匠で“修斗ジャンキー”と呼ばれた松根良太の古巣であるパラエストラ千葉ネットワークで合宿を積み、扇久保博正、岡田遼といった修斗の先輩王者、猛者たちに揉まれた。

「千葉で自分に足りないなって思ったこと、レスリングや組み技部分の強化をスパーリングで意識して練習しました。やっぱり疲れちゃうと反応が遅くなったり切れるタックルも切れなくなったり、それも千葉で感じたので、タイトルマッチに向けてそこは強化してきました。まだまだですけど階段を一段上った感じがあって、心技体が強くなった感じです」

 前田吉朗戦は予想を上回る圧巻の内容だったが、圧勝の余韻を千葉での合宿で引き締めた形だ。

「自分は挑戦者なので思いっきりぶつかりますし、絶対沖縄にベルトを持ち帰りたいっていう気持ちもあります。沖縄っていう練習環境でも修斗のベルトが獲れるっていうのを証明したいです」

 そんな平良の入場曲はジョン・レノンの『POWER TO THE PEOPLE』。師の松根が「人々に力を与えられる選手になれるよう」選曲したのだという。

「人に勇気を与えるじゃないですけど、言ってみたら格闘技がそうじゃないですか。そういう感じがあるのでいい曲だと思いますし、普段は聞かないですけど、今は入場曲がかかったら落ち着きます」

 ベルトを得て、さらに多くの人へ力や夢を与える存在となれるか、殺傷力ある打撃を持つ福田との試合で試される。

「今はベルトを絶対獲りたいっていう、ただそれだけです。タイトルマッチは本当にもう死に物狂いで戦って、絶対ベルトを奪取したいと思います」

(文/長谷川亮)