この点について松岡氏を直撃すると、

「これまで我慢して黙っていましたが、勇気を振り絞って答えます」

 と言って、こう続けた。

「星さんも私もどちらも自民党公認なのに、これだけ差をつけられたのは、自民党が女性候補者を軽視しているからだと思います。星さんの陣営には大臣級の方が初日からバーンと応援に行っているのに、こちらは一緒に街頭演説してくださったのは自見はなこさんだけ。要請はたくさん出しましたが、ほとんど来てくれないんです」

 両陣営の応援に入った丸川氏、下村氏の対応にも差があったという。

「丸川大臣はうちの事務所に来た途端に『帰る』と言われて、いたのは1分くらい。写真だけ撮って帰られました。下村さんは事務所に来て、『街頭で話してもいいよ』とはおっしゃってくれたんですが、結局、激励だけで帰って行かれました」

 また、松岡氏が自民党の広報車「あさかぜ号」に乗ることができたのは、選挙戦が始まって4日後の29日になってからだという。

 自民党の都議の女性議員の比率はわずか4%だ。松岡氏はこう訴える。

「私だって市議を3期やって、自分の政治生命をかけて、人生をかけてこの町田市を良くしたいと思って出馬しているんです。でも、最初から何もかもが不平等。本当に悔しい思いをしてきました。自民党は女性活躍をうたっているのに、『女性軽視』そのものだと思います」

 都議選の投票日まであと4日。最後に笑うのは、はたして誰か。

(取材・文=AERA dot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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