左から丸川珠代五輪相、小池百合子都知事(C)朝日新聞社
左から丸川珠代五輪相、小池百合子都知事(C)朝日新聞社
都議選の自民党候補者にハグをする丸川氏(撮影/上田耕司)
都議選の自民党候補者にハグをする丸川氏(撮影/上田耕司)

 東京五輪の開催が24日後に迫る中で、今最も精力的に動き回っているのは丸川珠代東京五輪相(50)だろう。

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 といっても、五輪開催の準備に奔走しているのではなく、都議選の自民党候補者の応援に駆けずり回っているのだ。

「丸川大臣は、25日の都議選告示日以降、今日までの5日間で33カ所、直近の2日間では21カ所という超過密スケジュールで選挙区を回っています。通常は、各候補者陣営から要請があって応援に行くのですが、丸川大臣は自分から手を挙げてスケジュールを詰めまくっている。毎日興奮状態で、すごい勢いで応援に回っています」(自民党選対関係者)

 6月30日午後、丸川氏の姿は東京都荒川区の日暮里駅前にあった。荒川区選挙区の候補者の応援にかけつけた丸川氏は、自民党の広報車「あさかぜ号」の中で候補者にハグで抱きつくハイテンションぶりだった。記者は26日にも足立区選挙区の自民党候補者にハグをしている光景を目撃しているので、どうやらハグは丸川氏がお得意の応援スタイルのようだ。

 細かい政策論よりも、とにかく派手なアクションと大きな声での応援が丸川氏の特徴。元キー局アナウンサーだけあって、その声の張りと笑顔は大きな武器となっている。

「『負けるわけにはいかない!』というのが彼女のキラーフレーズ。マイクがあるにもかかわらず絶叫するので、喉を酷使し過ぎて、すでに声がかすれてしまっています」(同)

 30日の日暮里駅前での演説後も、集まった住民から「声がかすれてますね」と話しかけられ、「都議選でちょっと声を出し過ぎました」と答える一幕があった。

 一方で、記者が「国会議員の中で、もっとも選挙区を回ってますね」と直撃すると、「えっ、そうですか。大臣というより、地元(東京選挙区)だからです」と謙虚に答えた。

 なぜ丸川氏はここまで張りきるのか。その理由を官邸関係者が明かす。

「丸川氏は同じキャスター出身の小池百合子都知事にライバル心をむき出しにしています。もし小池氏が都知事の座を退くことになったら、その後釜を狙っていると言われています」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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「小池知事の過労は回復途上」