日本ハムの中田翔 (c)朝日新聞社
日本ハムの中田翔 (c)朝日新聞社

 日本ハム中田翔はどうしてしまったのか。キャンプから不調が長引き、昨年とは別人のようになってしまった。球界を代表するスラッガーの身に何が起きているのか……。

【写真】美しすぎる日本人メジャーリーガーの妻たちはこちら(8人)

「今年はちょっと、あんま良くないですね。ゴミです」(3月1日/中田)

 沖縄・名護キャンプ打ち上げで口に出した言葉が現実になってしまった。最下位に沈むチームで戦犯扱いされ、トレードまで噂されるほどだ。

 昨年、中田はBクラスに沈んだチームでも結果を残し続け存在感を発揮した。今季もチーム浮上のカギを握る男のコメントを取るため、キャンプ最終日に報道各社が集まった。いつものように冗談を交えて風呂敷を広げる“中田劇場”になると思われた。

「ゴミという言葉はリップサービスだと思った。自虐的なセリフで注目を集め、周囲を盛り上げるためだと。昨年はチームが優勝争いから脱落した中でも主砲の役割を果たし雰囲気を盛り上げる役目も担っていた。取材時には周囲からも笑いが漏れていたのだが、いざ開幕したらこの調子。キャンプ終了時には、すでに諦めの気持ちが少しはあったのかもしれない」(日本ハム担当記者)

 プロ13年目の昨年は108打点で3度目の打点王を獲得。自己最多の31本塁打(リーグ2位)を放つなど、2年連続5位となったチームの中で孤軍奮闘した。3年契約最終年の今年は5000万円増の年俸3億4000万円でプレーすることとなった。

「素直に悔しい。うちとは力の差があり過ぎる。そこを僕たちが埋めていかなければいけないところであって、これからの課題でもあると思います。最終的にはあそこを倒さないとね、僕らは1番にはなれないので。またチームが1つになって戦略を考えた上で1年間戦って行きたいと思います」(20年12月17日/中田・契約更改後の会見)

 昨年は中田本人も納得できる打撃成績だったはず。しかし契約更改後の会見で語ったのは、チームが勝てなかったことへの悔しさだった。取材者の質問に対してソフトバンクの強さを率直に語っていたのが印象的だった。

次のページ
責任感が裏目に出た?