圧倒的な優勝候補と見られていながらも意外な苦戦が続いているソフトバンクで期待がかかるのが来日3年目を迎えるスチュワート・ジュニアだ。4月17日の西武戦で一軍デビューを果たし、その後は制球難もあって4試合にリリーフ登板した時点で登録抹消となったが、5回1/3を投げて7奪三振をマークするなど大器の片鱗は見せている。

 また二軍でもここまでローテーション投手として5勝0敗、防御率1.15と過去2年間と比べて明らかに成長したピッチングを見せている。コントールにはまだまだ課題が残るものの、大型投手にありがちなバランスの悪さは徐々に改善されてきており、指にかかった時のボールは目を見張るものがある。本格的な戦力となるのは来年になる可能性が高いが、二軍で好投を続ければ後半戦には一軍での初先発のチャンスもありそうだ。

 他にはシーズン途中に加入したロメロ(ロッテ)、スパークマン(オリックス)も楽しみな存在だ。両チームとも優勝、Aクラス入りを争うための本気度が感じられる補強でもある。ロメロは一昨年中日で8勝をマークしており、スパークマンも2019年にはメジャーで31試合(うち23試合は先発)に登板した実績があるだけに、オリンピックの中断期間中に上手く調整を進めて、後半戦からはローテーションの一角としての活躍を期待したい。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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