高校3年生でJデビューを果たした小林友希(2000年7月18日生まれ、神戸)も早くから評価されてきたDFだ。ビルドアップ能力と対人への強さを併せ持つ左利きの現代版センターバック。神戸の下部組織育ちで世代別代表にも常に名を連ね、2017年のU-17W杯には久保建英らとともに主力として出場した後、高校3年になったばかりの2018年4月にJデビュー。その後、町田、横浜FCとレンタル移籍先で1年半の武者修行を経て今季から神戸に復帰。ベルギー代表のフェルマーレンが欧州選手権出場で離脱中は、スタメンとして堂々としたプレーぶりを見せている。

 さらにその小林を押しのけて開幕からレギュラーとして好パフォーマンスを見せているのが、身長188センチのDF菊池流帆(1996年12月9日生まれ、神戸)である。青森山田高から大阪体育大を経て2019年にJ3・山口に入団した遅咲きのセンターバック。2020年に神戸に加入してJ1デビューを飾ると、空中戦での圧倒的な強さと闘志あふれるプレースタイルで一気に評価を高めた。足元の技術には改善の余地があり、年齢的には現在24歳で東京五輪世代より上だが、現在の成長度を考えると近い将来、欧州リーグの舞台で活躍していても不思議ではない。

 ボランチが本職ながらセンターバックとしてJリーグで実績を積んでいる者たちもいる。大阪体育大学在学時の2019年5月にU-22日本代表に選出され、同年12月にはA代表デビューも果たした田中駿汰(1997年5月26日生まれ、札幌)は、プロ1年目の昨季からレギュラーとして出場を続け、今季は開幕から3バックの右CBとして持ち前の守備能力の高さを発揮。身長183センチの高さに鋭い読み、そして広い視野からのパス能力の高さも魅力だ。

 また、2018年のAFC U-23選手権のメンバーに唯一の高校生で選ばれた経験を持つ伊藤洋輝(1999年5月2日生まれ、磐田)も、所属先で3バックの左CBとして出番を得ている。正確な左足キックに加え、身長188センチの高さと優れたボール奪取能力が魅力。東京五輪のメンバー争いからは脱落した2人だが、今後のステップアップ次第では、同世代のライバルDFたちを追い抜く可能性は十分にある。伊藤は23日にドイツのシュトゥットガルトへの期限付き移籍が発表されたばかりだ。

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パリ五輪以降の世代に目を向けても…