慶応大時代の伊藤隼太 (c)朝日新聞社
慶応大時代の伊藤隼太 (c)朝日新聞社

 今年はルーキーの当たり年と言われているが、ここまでで最も強烈なインパクトを残しているのはやはり佐藤輝明(阪神)になるだろう。開幕直後から順調にホームランを量産。交流戦でもその勢いは衰えることはなく、6月25日終了時点(以下、成績はすべて同日時点)で村上宗隆ヤクルト)、岡本和真巨人)に次ぐセ・リーグ3位の19本塁打を放ち、タイトル争いにも加わっているのだ。

 シーズン序盤は2割台前半だった打率も徐々に上昇し、現在は2割台後半で推移している。4球団競合のドラフト1位ということで当然期待は大きかったが、ここまで活躍すると考えていた人は少なかったはずだ。

 佐藤のような強打者タイプはプロで苦労することが多いと言われているが、果たしてどうだったのか。2000年以降に上位指名でプロ入りした大学生スラッガーを見てみると以下のような顔ぶれとなっている(現役選手は6月25日終了時点)。

■阿部慎之助(中央大→2000年巨人1位)
1年目:87安打13本塁打 打率.225  通算:2132安打406本塁打 打率.284

■広瀬純(法政大→2000年広島2位)
1年目:30安打1本塁打 打率.286  通算:595安打51本塁打 打率.273

■喜多隆志(慶応大→2001年ロッテ1巡目)
1年目:11安打0本塁打 打率.220  通算:22安打0本塁打 打率.227

■村田修一(日本大→2002年横浜自由枠)
1年目:74安打25本塁打 打率.224  通算:1865安打360本塁打 打率.269

■後藤武敏(法政大→2002年西武自由枠)
1年目:66安打11本塁打 打率.262  通算:312安打52本塁打 打率.254

■松田宣浩(亜細亜大→2005年ソフトバンク希望枠)
1年目:43安打3本塁打 打率.211  通算:1785安打295本塁打 打率.267

■武内晋一(早稲田大→2005年ヤクルト希望枠)
1年目:2安打1本塁打 打率.083  通算:256安打22本塁打 打率.222

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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