杉本氏の人生は波乱万丈だ。01年12月に不動産業の株式会社エスグラントコーポレーションを設立して代表取締役社長に就任し、05年に株式上場を果たすが、08年9月のリーマン・ショックの煽りを受け、09年3月に民事再生法の適用を申請。負債を抱え、自己破産に追い込まれた。しかし、ここからはい上がる。10年に株式会社シーラホールディングスを創業すると、19年にグループ会社の売上高が200億円を超えるまでに成長。「30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由」(14年、ダイヤモンド社)、「たとえば、謙虚に愚直なことを継続するという習慣」(19年、扶桑社)などの著書を出版している。

 今回の記者会見の中で、「現在、身近に応援している人や支えている人はいますか?」という記者の質問に対し、「社員の皆さんですね。他にもたくさん関わっている方々…私は僭越ながら人生理念というものを掲げさせて頂いていまして、手帳に『関わる人を幸せにする』という事を書いているんですけど、応援したいし応援されるような存在になれるように頑張っていきたいと思っています」と語っている。

 杉本氏は、その思いを叶えられるだろうか。(牧忠則)