日本ハム監督時代の大島康徳さん(OP写真通信社)
日本ハム監督時代の大島康徳さん(OP写真通信社)

 現役時代に中日日本ハムで活躍し、日本ハムで監督を務めた野球解説者・大島康徳さんは、現在がん闘病中だ。回復することを心から祈るばかりだが、今月22日に大島さんのブログで更新された内容が衝撃だった。

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 大島さんの妻が代筆し、一部の心無いコメントが投稿されていることを告白。一部伏せ字にした上で問題のコメントを掲載し、「このような心ないコメントがまだ続いている悲しい事実もございます。堀ちえみさんも心を痛めていらしたことを知りました。本人の目に触れないように削除を続けていますがこれを目にする家族も本当に傷ついています。どうかどうかお止め下さい。心よりお願い申し上げます」と訴えた。

 大島さんは16年10月にステージ4の大腸がんと診断され、17年2月に手術を終えたと報告。しかし、がんは肝臓に転移して抗がん治療を続けている。今月21日に肺にも転移があったことを明かしている。

 ネット上で誹謗中傷の書き込みの被害を受けている著名人は大島さんだけではない。がんで闘病を公表していたタレントの堀ちえみさんに対し、「再発するといいですね」、「永遠の眠りについてくださいね」など名誉を傷つけるようなコメントを150回以上投稿したとして、警視庁が今月21日、奈良市の無職の女(45)を東京都迷惑防止条例違反容疑で書類送検している。

 一般紙の社会部記者はネット上での誹謗中傷がなくならない理由について、このように分析する。

「匿名制度が罪悪感をなくしてしまっている部分は大きいと思います。相手の心情を配慮することなく、自分の怒りをぶつけることに躊躇がない。実生活では暴力的なわけではなく、普通に暮らしている人が多いのも特徴です。ネットに書き込むことがストレスのはけ口になっている。処罰も正直甘いと思います。堀さんを執拗に誹謗中傷した女も書類送検ですから。被害者が泣き寝入りしてしまうケースも少なくありません。名誉棄損罪や侮辱罪で訴えるにしても投稿者を特定するのに1年以上かかるケースもあり、裁判の手続きになると弁護士費用などお金がかかる。被害者や家族の立場に立った法整備が必要です」

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