それでも球団が了承のコメントを出したことで、大谷のホームランダービー出場への可能性は高くなり、現地メディアは大谷の決断を待っていた。そして18日、遂に大谷本人が自身のインスタグラムを通じてホームランダービーへの出場を表明し、現地の歓喜の声は最高潮に達した。

 これ以降、米メディアの間ではこの話題で持ちきりだ。例えば、同日、大手スポーツメディアの『ESPN』は、「大谷翔平がホームランダービーへの出場表明した最初の選手だ」と大体的に報道。さらに、『MLB.com』や『スポーツ・イラストレイテッド』なども相次いで大谷の出場の報を伝え始め、大谷のホームランダービーへの出場は全米が注目していることを物語った。

 18日に行われた会見の中で、大谷は「単純に日本人が出ているところが見ててみたい。そんな単純な理由なんですけど、ワクワクしています」とコメント。また、「普段通りの打ち方をすれば、飛んでくれるかなと思っています」とも述べ、「もちろん出るからには(優勝を)目指したいなと思います」と意気込みを語っている。加えて、マドン監督もケガの可能性について、「懸念はゼロだ」ともコメントを出し、大谷の出場を後押した。とにかく、今年のオールスターゲームは、全米のファンやメディアが望むものになることが決まったのだ。

 さらに、続く21日には大谷の同イベント優勝への追い風になりそうな出来事が起こった。現在ア・リーグで大谷と本塁打数を争っているトロント・ブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr.がホームランダービーを欠場する意向を示したのだ。

 ゲレーロJr.は今季ここまで大谷に並ぶ23本の本塁打を放っており、また、19年のホームランダービーに出場し91本ものホームランを放っている。しかも、今年のオールスターゲームは他球場よりも本塁打が出やすいとされる高地にあるデンバーが舞台で、出場すれば優勝するかもしれないとも予想されていた。強力なライバルが辞退することは、ファンとしては大変残念でもあるが「大谷が優勝する可能性が増した」と述べる現地記者もいる。

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