腰痛を抱えていた新井は8月に開催された北京五輪の4番で強行出場したことにより、症状が悪化。帰国後に病院の診断で疲労骨折と判明し、9月下旬まで長期離脱。主軸を欠いたチームは苦しい戦いを強いられた。対照的に巨人は後半戦に入り、小笠原の打棒が爆発。9月に12連勝を飾るなど猛追。10月8日の東京ドームでの直接対決で3-1と阪神を破り首位に立つと逃げ切った。「メイクレジェンド」と形容された劇的な幕切れに、巨人ファンは歓喜し、阪神ファンは落胆した。

 侍ジャパンの稲葉篤紀監督が発表した東京五輪に内定した24人を見ると、阪神から梅野隆太郎、青柳晃洋、岩崎優、巨人からは菅野智之、中川皓太、坂本勇人と共に3人ずつ選ばれた。梅野は広島・曾澤翼が故障を理由に出場辞退したため、追加召集の形で選出されたことで話題を呼んだ。

 SNS、ツイッター上では、「梅野の選出、複雑な気持ち。本人が出たいから嬉しい気持ちもあるけど、08年の悪夢を思い出してしまう。ケガだけはしないでほしい」、「梅野が五輪で試合に出られずコンディションを落とすのが怖い。青柳、岩崎もそうだけど故障しないで戻ってきてほしい。個人的には侍ジャパンより阪神の優勝の方が大事です」など阪神ファンから心配の声が絶えない。

 あと一カ月後に迫った東京五輪は、後半戦の阪神、巨人、ヤクルトの優勝争いにも大きく影響を及ぼしそうだ。(梅宮昌宗)