虐待や性暴力の被害に遭った10代の女性を支える一般社団法人「Colabo(コラボ)」の代表・仁藤夢乃さん(31)は、本多議員の発言をこう指摘する。

「50代である本多議員が、14歳と性交しようとする気があるともとれる発言です。性暴力は支配的な関係性の中で行われるのに、50代の男性と14歳の少女の間に対等な関係性があると思い込んでいることが問題です。加害者に都合よく、14歳を大人扱いしたり本人の同意があったということにして性暴力が容認されるケースが日本では多発しています」

 6月7日、立憲民主党の福山哲郎幹事長は、「本人が『撤回』と言っているので、それでいいのではないか」と記者団の取材に答え、同日夜になってから「厳重に口頭で注意した」とコメントを出した。本多議員は、自身のウェブサイトでお詫びし、発言を撤回すると同時に、「報道によって傷つく方がいるとのご批判は当然」「特異な例外事例の存在など緻密な検討が必要」とコメントを発表している。

「性犯罪刑法改正を検討するWTにもかかわらず、こうした発言があった時点で直ぐに厳重注意すべきことであり、WTメンバーからも外すべきです。報道直後は発言者の名前を伏せており、隠そうとしていた組織の体質にも問題があります。内部で擁護し合っていたからではないでしょうか。議論に女性を入れて、一緒に考えようとしているかのように見せかけてはいますけど、そこには男性議員と女性議員とで不均衡な権力関係があったのではないでしょうか。だから、問題発言をする議員を止められなかったのだと思います」(仁藤さん)

 9日、枝野幸男代表は、外部有識者によるハラスメント防止対策委員会を委ねた。まずは沈黙の1カ月について、組織自らが説明すべきではないか。(AERA dot. 岩下明日香)