ひとりで来た人にはアルコールも出すとか、ある程度以上の人数の客は、入店を断るとか、方法はいろいろとある。ルールと言うんじゃなくても、店主もビシッと断ればいいし、客もそれで感染を防ぎ、好きな店を守っていきましょう、というキャンペーンをすればいいのに。

 それに、酒類禁止にしても、状況はちっとも良くならない。原因が見えないのに同じ規制だけかけ続けても何も変わらない。最初の緊急事態宣言の時のライブハウスをやり玉にあげてたのだってそうですよね。ギャーギャーと騒ぐようなライブハウスなんてごく一部です。多くのライヴは満員には程遠い。静かでもみんな楽しんでる。というか、そもそもオールスタンディングで満員なライブなんてごくごく一部です。それを全部やめさせた。飲食店やライブハウスの実情を、政府は全然知らないし、知ろうともしないで、悪者に仕立てて、対策をしてるような形だけ整えた。

――政治家をはじめ、「会食」をやめられない人もいます。

 政治家がさかんに「会食」などと言っているのを見て、違和感を覚えます。僕の場合、会食みたいなことは一年に数回、地方でライブの打ち上げとかだけで、まず非日常です。一般市民はそんな毎晩毎晩、会食なんかしない。家族や同僚と「仕事後に夕飯の時、ビールや焼酎を軽く」というのが、日常じゃないですか?

 国のトップの人たちは、自分たちの習慣を当てはめようとするから、変なことになる。そりゃ「いつまでもただ延長延長って、俺たちの生活や我慢なんか知ったこっちゃないんだな」って思って、店を遅くまで開けて酒を出しちゃう店主だって出てきますよ。

――「孤独のグルメ」で五郎が一人メシを堪能する姿は、無理なく感染対策を続けられるヒントになるのでは。

「GoToゴロー」なんてキャンペーンを作って、一人で来店した人が優遇されるクーポンを配る、なんて冗談を言ったりしてたんだけど。それで、皆が五郎になったつもりで一人メシを楽しむ「五郎ちゃんごっこ」をすれば、遊びながら感染も抑えられて、店への打撃も少しは軽くなるんじゃないかな。

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飲食店の支援は「行って食べる」以外にない