「作品では敵対するこのふたりが、生配信では仲むつまじく撮影の日々を振り返るというのがとてもよかった。実際、広瀬さんと橋本さんはあらゆる映画のキャスティング会議に名前が出てきますし、同じ役柄を争うこともあったはず。そういう意味では今回はまさに夢の競演なのですが、そのすごさがあまり世間に伝わってないのが非常に歯がゆい。視聴率は不調でしたが、このドラマは後世にも語り継がれる伝説の作品になるはずです。実は映画化の話も一部で報道されており、ドラマと並行して撮影しているといううわさもある。広瀬・橋本の対決はSNSでもバズっていたので、この2人をメインに押せば映画は大ヒットする可能性もあります。もし映画化が本当だとすれば、最終回でその情報が解禁になるはずなので、期待したい」(民放ドラマ制作スタッフ)

■映画込みで主演引き受けた?

 民放ドラマとしては今回が3年ぶりの主演作となった広瀬すず。「ネメシス」自体の評価は決して低くはないが、今回の低視聴率は彼女のキャリアにはどう影響を及ぼすのか。

「広瀬さんはまだ若いのに作品選びがとてもうまい。前回の主演ドラマ『anone』は人気脚本家である坂元裕二さんが手がけた偽札偽造の話。かなりニッチなテーマで低視聴率にあえぎましたが、非常に重厚な仕上がりで人間描写にも深みがあり、今も伝説のドラマと言われています。つまり、広瀬さんはラブコメのような王道の連続ドラマにはそもそも出演する意思はなく、視聴率重視の連ドラとの相性は悪いのです。しかし、映画女優としては引く手あまたですし、抜群にお芝居がうまいので、今後も映画を中心にやっていくのでは。今回『ネメシス』に主演したのも、映画化も込みの企画だったから、という見方もできます」(同)

 ちなみに、フジテレビの連ドラ「コンフィデンスマンJP」も低視聴率に終わったが、映画化され1作目・2作目とも大ヒットになったことは記憶に新しい。視聴率が多少低くても動画サブスクで収益化でき、映画化すればグッズ展開などでさらに稼ぎ口が増える。「ネメシス」はこのビジネスモデルを目指しているのかもしれない。

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広瀬すずの「引きの強さ」