G党が球団の補強戦略に不安を覚えるのは、FA移籍組が苦しんでいる現状を見ているからだろう。陽岱鋼は17年に巨人へFA移籍後、度重なる故障も影響して一度も規定打席に到達できず、5年契約最終年の今季も1軍出場なし。開幕からファーム暮らしで3軍降格も経験した。19、20年とリーグ連覇に貢献した丸佳浩も今季は40試合出場で打率.227、4本塁打、8打点と調子が上がらず、今月5日に故障以外で9年ぶりに登録抹消された。投手に目を移すと、昨オフにDeNAからFA補強した井納翔一が先発、救援で結果を残せず、5試合登板で0勝1敗、防御率14.40。散々な成績で5月20日からファーム暮らしだ。

 チームは交流戦で巻き返しを図りたいが、苦戦が続いている。9日のオリックス戦(京セラドーム)に0-6で投打に精彩を欠き引き分けを挟んで4連敗。坂本勇人、梶谷隆幸、丸を欠く中、攻守でチームを牽引していた吉川尚輝が初回に左手付近に直撃する死球で途中交代のアクシデントに見舞われた。首位・阪神と6ゲーム差まで開き、踏ん張りどころを迎えている。緊急補強した山口は巨人の救世主になれるだろうか。(牧忠則)