100年以上前に渋沢栄一は指摘しました。

「経済に国境なし」

 従って、「いずれの方面においても、わが智恵と勉強とをもって進むことを主義としなければならない」と栄一は付け加えます。

 コロナ禍によって国境が閉鎖されたことで、人々の豊かな経済社会の暮らしに大きなマイナス効果があったことは明らかです。また、パンデミックに国境なしということも明らかです。国境内で対処しなければならないことが多い現状を踏まえながらも、国境なしの豊かな世の中を築くことは後世への責務です。

 私たちはグローバルヘルスという人類の「智恵と勉強」で進まなければなりません。栄一の時代の「経済に国境なし」であれば、今の時代では尚更です。(渋沢健)

◆しぶさわ・けん シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役、コモンズ投信株式会社取締役会長。経済同友会幹事、UNDP SDG Impact 企画運営委員会委員、東京大学総長室アドバイザー、成蹊大学客員教授、等。渋沢栄一の玄孫。幼少期から大学卒業まで米国育ち、40歳に独立したときに栄一の思想と出会う。近著は「SDGs投資」(朝日新聞出版)

著者プロフィールを見る
渋沢健

渋沢健

渋沢健 シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役、コモンズ投信株式会社取締役会長。経済同友会幹事、UNDP SDG Impact 企画運営委員会委員、等。渋沢栄一の玄孫。幼少期から大学卒業まで米国育ち、40歳に独立したときに栄一の思想と出会う。

渋沢健の記事一覧はこちら