しかし2019年には初めて打率が2割5分を上回り(打率.260)、この年から2年連続で二桁ホームランも記録。今年もここまで打率.265、7本塁打とキャリアハイを更新する勢いを見せている。小柄でもパンチ力と思い切りの良さが目立ち、今の状態であれば東京五輪でも正捕手として活躍が期待できそうだ。

 打撃や長打力は天性と言われることが多かったが、トレーニングが発達してきた現代ではプロ入り後に大きく伸ばせることも珍しくなくなっている。今後も意外な選手が打撃でブレークすることを期待したい。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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