三塁の守備で佐藤が大山を上回っているのは一目瞭然だ。しかし、大山が復帰すると佐藤を右翼に戻した。そうせざるを得ないチーム事情がある。佐藤を三塁で起用した場合は、大山が一塁に回るが、そうなると正一塁手のマルテがスタメンから外れる。出塁率が高く、勝負強い打撃で3番として活躍している助っ人を外すわけにはいかない。大山、佐藤、マルテを同時に起用するためには、佐藤を右翼で起用するしか現状は選択肢がないのだ。

 
 ただ、佐藤の三塁での類まれな守備能力を生かせないのは惜しい。そこで考えられるのが大山を右翼にコンバートする案だ。

「早ければ今オフにそういう動きになるのではないでしょうか。もちろん、首脳陣と話し合い、大山が納得した上で外野へのコンバートになる。打撃で結果を残していますし、チームに不可欠な選手です。外野に回ることで守備の負担が減り、打撃により集中できるメリットがある。佐藤も球界を代表する三塁手になる可能性を十分に秘めている。大山と佐藤が共存共栄し、チームに大きなプラスアルファをもたらす意味でも検討の余地は十分にあると思います」(スポーツ紙遊軍記者)

 大山は26歳、佐藤は22歳。今後の阪神を牽引する2人の「ポジション問題」は常勝軍団を築く上で大きなテーマになりそうだ。(梅宮昌宗)