いつまでホルモン補充療法を続けるかについては、期間や年齢に決まりはない。

「症状が落ち着いているからといって急に薬を中止すると症状がぶり返すことがあります。医師と相談して症状を確認しながら減らしていくことが大事です」(野崎医師)

 ホルモン補充療法は、骨折や動脈硬化を予防する、皮膚や粘膜の潤いを保つといった副効用も認められている。

 ホルモン補充療法は現在乳がん、子宮内膜がんを発症している、もしくは過去に乳がんにかかっている人や静脈血栓塞栓症や心筋梗塞、脳卒中などの既往がある人は、実施できない。こうした人やホルモン補充療法に抵抗がある人は、漢方薬やサプリメントを使用する。

 婦人科医が更年期障害に詳しいかどうかは、日本女性医学学会が認定する専門医資格を有するかどうかが一つの目安になる。専門医は同会のホームページで検索できる。

(文・中寺暁子)

週刊朝日2021年6月18日号より