「日本での登板過多の影響も改めて議論されるようになった。日本人投手が30歳を超えて調子が落ちるケースが目に付くようになったからです。田中(将大)も少しずつパフォーマンス低下が見られる。楽天復帰は絶妙のタイミングだったのではないか」(MLBアジア地区担当スカウト)

 田中の楽天復帰の理由としては、コロナ禍によるメジャー球団の経営悪化もあり、FA市場で希望に合致するオファーがなかったからとされる。メジャーでの成績も年齢とともに下降しており、報道の通り年俸9億円プラス出来高の2年契約で日本復帰という好条件ならば、楽天を選んだのも納得がいく。

「年齢的な部分もあるかもしれない。しかし渡米以降6年連続で2ケタ勝利という経験は大きな武器で、そこそこの数字は残すはず。パ・リーグ優勝、日本一への貢献が期待されているのは間違いない。コロナ禍で球団も苦しい中、営業面でも大きな戦力。ファンも含め、誰もがウィンウィンの復帰です」(楽天担当記者)

「世界一は叶わなかったが充実感はあるだろう。もともとメジャー好きというわけでもないしヤンキース以外は考えられなかったはず。この先成績が下がれば、地元ニューヨークで叩かれるのも目に見えている。楽天を選んだのは賢い選択。このまま現役を終えるまで仙台で投げるんじゃないか」(アマチュア時代から田中を知る記者)

 そしてもう1人今後が注目されるのが菅野だ。昨オフ、ポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を目指したが、獲得に乗り出す球団は複数あったものの合意に至らず、巨人に残留。今季は右肘の違和感で2度登録を抹消されているが、巨人の3連覇、日本一に欠かせないエースだ。

「メジャー球団でも評価が分かれている。制球力の良さや球種の多さなど、投手としては完成されている。しかし腰痛など故障の多さもつきまとう。年齢も31歳と若くはない。(仮に移籍しても)先発投手としては3、4番手になりそう。契約条件も悪くなるので、巨人にいた方が良いかもしれない」(MLBアジア地区担当スカウト)

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国内でプレーする方が得策?