<配偶者タルヘキ華族ノ使 配偶者タルヘキ華族ノ親族 幣贄ヲ齎シ(=贈り物を持って)内親王ノ殿邸ニ参入ス>

 華族の親族が使いとなり、贈り物を持って内親王の殿邸に参入するということだ。
 
山下さんが続ける。

皇室親族令は、1947年の新憲法施行に伴い廃止されましたので、いまは根拠となる法令はありません。しかし、この廃止の際、新しい規定がないものは、問題のない限り、従前の例に準ずることにしたのです。
 一方で、皇室は時代に合わせて変えてきたこともあります。どこまで儀式を細かく執り行うかは、秋篠宮殿下のご判断による部分もあるかと思います」

 昨年11月末、秋篠宮さまが誕生日会見で結婚と婚約は別だと話した。

「結婚と婚約は違いますから、結婚については本当にしっかりした確固たる意志があれば、それを尊重するべきだと私は思います」

 そのため、家と家の儀式である納采の儀は行わない、もしくはかなり簡略化したうえで入籍婚などの見方もいまだ根強い。

 元日本テレビアナウンサーで「皇室日記」のキャスターを長年務めてきた久能靖さんは、簡略版「納采の儀」も可能ではないかと話す。

「とくに、民間に出る女性皇族の結婚は、あくまで秋篠宮家と小室家の個人的な儀式です。両家の状況により、濃淡をつけることはできるのではないでしょうか」

 たとえば、納采の儀で納める『鮮鯛』は、腐りやすい夏場は、鯛の代金を代料として納める。

「その延長で考えれば、挙式も披露宴も行わない。もしくは、入籍だけの結婚や身内のみを集める内輪の式であれば、高価な絹布でドレスを仕立てる必要もない。納采の儀で必ずしも高価な絹布を納めなくともいいでしょう」

 久能さんは、儀式で親族が立つ使者についても、親族以外の選択肢もあるのではないか、と話す。

「場合によっては、小室さんがパラリーガルとして所属する法律事務所の所長もあり得るでしょうね」

 思い起こせば、2017年秋に行われたふたりの婚約内定会見。その直前に、小室さんが本屋で『月たった2万円のふたりごはん』という節約レシピ本を購入する姿が目撃され、週刊誌で報じられたこともあった。

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”節約レシピ”で納采の儀という選択肢