「ボールがキャッチャーミットにおさまる時の『パシッ!』って音、ボールがバットに当たった時の『カーン!』って音、これだけでプロ野球の迫力十分伝わる」

「もうプロ野球には応援歌、応援団は要らないよ。新しい観戦スタイルも早く確立させるべき」

「もうメジャー流で静かに観戦しましょ。あと、唾液まみれのジェット風船も消えてhappy」

 SNSなどのこうした声を応援団はどう感じているのか。関東の私設応援団に所属する男性はこう語る。

「コロナになる前から、私設応援団のことをあまり良く思っていない人はたくさんいたので、不要論に関しては今更、特に気にしてはいません。ただ、このまま応援団が十分な活動をできない状態が長引けば、『応援団をやりたい』という新たな担い手が出てこなくなる。そこが一番不安です。コロナになる前は、球場で元気なファンを見つけては『応援団に加入してみない?』と声をかけて、積極的にメンバーを集めたりもしていました。ただ、今では、それもできない。このままでは応援団は、いつか消滅してしまうのではないか。そんな不安は少なからずあります」

 吉田さんも、同じような不安を抱えている。

「昨年、トランペット演奏の応援が禁止されている中、なんとか盛り上げようと太鼓を使い応援をしていたんですが、テレビを見ているファンの方から『太鼓の音がうるさい』と、クレームが来てしまったことがありました。どうやら、コロナの影響で、お客さんが少ないので、太鼓の音が吸収されず反響してしまい、非常に耳障りだったようです。ファンの方から『必要ない』と言われることは非常に残念だし、悲しいです。現状、応援団が活動していなくてもプロ野球の興行としては成り立っているので、余計にそう感じてしまうのかもしれません…」

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