皇后が収穫したまゆは、織物にするために業者に出すという。

「皇居ではまゆから糸を取る作業まではできませんので、業者さんに持って行って、絹織物にしたものです。それを国賓としておいでになる外国の元首夫妻らにお土産として渡していた」(同)

 昨年、今年は蚕を絞り込み、純国産種の『小石丸』のみを育てるようにした。

「昭和時代には、『天蚕』と呼ばれる、野原にいる野生の蚕も飼っていました。私は夜中、皇室の養蚕所へ行ったことがありましたが、蚕が桑を食べる音がバリバリと凄くて、驚いたことがあります。まわりが静かですから余計でしたね」(同)

 養蚕は7月上旬には終わるそうだ。

今後の予定で、おっかけ主婦らが関心を寄せるのが雅子さまのお引っ越し。天皇陛下と雅子さま、愛子さまは現在の住まいの赤坂御所から皇居・旧吹上仙洞御所に引っ越す予定だが、6月中とも報じられたことがある。

「雅子さまは1日でも早く、皇居へお引っ越しをしたいのかもしれませんね。皇居内の養蚕所から、新居までは歩ける近距離なので、ご養蚕ついでに新居の様子も見に行っておられるのではないでしょうか」(前出・吉田さん)

 ただ、気になるのは新型コロナウイルスの感染状況。東京では緊急事態宣言が今月20日まで続く予定であり、なおかつ、皇室の新型コロナのワクチン接種が6月1日から始まったばかり。

「天皇を中心とする皇室18人のうち6人がワクチンを接種したそうです。住まいに医師に来てもらって接種したり、宮内庁病院へ行って接種したり、方法はいろいろと聞きます。まだ接種していない皇室の方が多いわけですし、引っ越しの時期はまだ不透明。延ばそうと思えばいくらでも延ばせますからね」(神田氏)

 追っかけ主婦たちの間では、五輪開催後の秋にズレ込む可能性もあるのではないかという憶測もある。前出の吉田さんはこう言う。

「今までは半蔵門から皇居へ入るところや、赤坂御所周辺が撮影ポイントでした。でも、完全にお引っ越ししてしまうと、皇居から出なくても行事ができるので、ますます撮影チャンスが減ることは確か。雅子さまはいつまでも皇居に"通い"でもかわいそうなので、そろそろ落ち着かれたらと思いますが、そうなると、これまでのようには見れなくなるので寂しくもありますね……」

 雅子さまは養蚕作業の手を止めて、引っ越し後の新居に思いを馳せることはあるのだろうか。(AERAdot.編集部 上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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