お蚕で皇居に向かう雅子さま(5月25日/吉田比佐さん撮影)
お蚕で皇居に向かう雅子さま(5月25日/吉田比佐さん撮影)
「お蚕の作業を終え、自宅の赤坂御所に戻る雅子さま」(5月25日/吉田比佐さん撮影)
「お蚕の作業を終え、自宅の赤坂御所に戻る雅子さま」(5月25日/吉田比佐さん撮影)

 初夏を迎え、雅子さまは「ご養蚕」の作業を続けている。6月2日、雅子さまは皇居内の紅葉山養蚕所で、蚕の繭を収穫する「初繭掻(はつまゆかき)」の儀式に臨んだ。5月6日から毎週のように、雅子さまは養蚕所へ通っている。

【写真】「雅子さま~!」追っかけ主婦らの呼びかけに応じる姿をキャッチ

 両陛下のご成婚(1993年)から28年間、雅子さまの追っかけ主婦をしている千葉県の吉田比佐さんは、養蚕での雅子さまの様子をこう話す。

「お蚕は、雅子さまのお住まいの赤坂御所の正門や四谷の交差点のカーブからシャッターチャンスを狙っています。普段は乗用車に乗って移動するのですが、お蚕の時にはなぜかワゴン車が多い。2日もワゴン車でした。ワゴンだと、窓を上からアゴが見えるくらいまでしか開けないので、顔の表情もよくわからないくらい。残念ながら当日のファッションもよく見えないんです」

 そのため、雅子さま追っかけの数も「4、5人くらい」と少ないという。

「プライベートな時にはワゴンで移動されることが多いんですが……」

 皇室ジャーナリストの神田秀一氏は、こう話す。

「ご養蚕は皇后の私的行為なんですよ。天皇、皇后の活動を、憲法に定められ、内閣の助言と承認が必要な"国事行為"、国体や戦没者追悼式への出席など象徴の地位として活動する"公的行為"、"私的行為"の3種類にわける考え方です。3種論とも呼ばれています。宮中で神を祀る宮中祭祀が私的なものの代表ですね」

 車の手配は宮内庁の車馬課が決める。追っかけ主婦が雅子さまの移動でワゴン車が増えているように感じたのは、作業の都合上とも考えられるが、養蚕が"私的行為"に当てはまるということも影響しているようだ。

 ご養蚕は明治天皇の皇后である昭憲皇太后から始まり、歴代皇后の伝統として引き継がれてきた。

 雅子さまは昨年、美智子上皇后から引き継ぎを行い、今年で2年目。

「かつては、皇室はたくさんの種類の蚕を育てていたんです。宮内庁の職員が蚕のために、寝ずの番をしたものですよ。だけど、昨年から新型コロナの影響で養蚕に携わる職員の数を減らし、主任1人だけ。それでは多くの種類の蚕を育てられないですね」(神田氏)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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