「言葉少なのパスを受け取って、そこに合わせてセッティングされた旗を越えようとしたスタッフに対して、終わった時に良かったんじゃないかと伝える。その努力と結果を認めてくれる。それって普通にうれしいことじゃないですか。褒められる、やった、と。手応えを感じて、またより良いものに編集を含めてしていこうというスイッチを押してくれる。いちいち、人をうれしくさせて頑張らせるんですよね」（伊藤氏）


　
　部下や後輩の成長と、プロジェクトの成果、そしてモチベーションの連鎖。チームに、圧倒的な好循環が生まれているのがわかるだろう。
　
　チームの中にモチベーションの好連鎖を生むために、人を動かすリーダーは目指すべき目標の「旗」の立て位置を、しっかりと見定めることが求められる。

●畑中翔太（はたなか・しょうた）
博報堂ケトルクリエイティブディレクター。アクティベーション領域を軸に手段とアプローチを選ばないプランニングで、「人を動かす」統合キャンペーンを数多く手掛ける。 これまでに国内外の150以上のアワードを受賞。Cannes Lions 2018 Direct部門審査員。2018年クリエイター・オブ・ザ・イヤー メダリスト。