「結局、当初いけるだろうと思っていた偏差値帯の学校よりも10以上低い学校にしか合格をもらえませんでした。親としては思い出したくもない半年間でしたが、本人は今、その中学校でそれなりに楽しんでいるようです。生活リズムも元に戻り、自分で起きて、朝ご飯も食べて、意味なくイライラするようなこともなくなりました。けれども、あの時、親としてもっといいサポートの方法があったのだろうか、と未だにモヤモヤとした気持ちが残ります」(Cさん)

「反抗期と受験期が重なってしまうと、思うようにことが運ばずに、厄介な事態に陥ってしまいますよね。それでも、親にできることは、子どもが受験という大きなストレスを抱えていることを理解して、根気よく丁寧に接していくこと」と西村先生は言います。

「もし、朝の計算と漢字をやらなくなってしまったのなら、時間帯を変えて気持ちが落ち着いている時に提案してみるのも手です」(西村先生)

 またノートを替えたり、勉強する場所を変えたりすることで、気持ちの切り替えができた子もいたそうです。

「不遜な態度に叱らなければいけないこともあると思います。ただ、その時は、手短に、そして火に油をそそぐような言い方だけは避けましょう。『○○すべき!』と言ったような正論は反抗期の子どもにはNGです」(同)
 
 また、忘れてはいけないのは、中学受験は「ゴールではない」ということ。中学生になって、徐々に親の管理下から自立して、一人で勉強できる習慣がつくことが中学受験の成功と言っても過言ではありません。ですから、結果のみに着目せず、過程を大事にして反抗期も見守ってあげてほしいものです。

(文/鶴島よしみ)

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スローマリッジ取材班 鶴島よしみ

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