■あえて露悪的に振る舞う

 芸風とのギャップという意味では、山内はを5匹も飼っている愛猫家としても有名だ。アレルギーについて取り上げた「ザ!世界仰天ニュース」(日本テレビ系、2020年2月25日放送)では、山内が涙とくしゃみが止まらない原因を番組で検査したところ、猫アレルギーだと判明。その後、自身のツイッターで、「アレルギー検査の結果 私、猫5匹飼ってて猫アレルギーでした。しかもかなりの。。。」とつづり、「でも猫たちとの暮らしは何も変わりません 大好きな猫たちとこれからも仲良く暮らしていきますー」と、猫への愛情は変わらないことを報告していた。

 それだけではない。実は、山内は超のつくほど真面目人間でもある。

「山内さんがインタビューで話していたのですが、2015年の『キングオブコント』の2回戦で敗退したとき、『(自分は)落ち目中の落ち目』と焦燥感を覚え、打ち合わせ量や本番までの稽古量を比べものにならないくらい増やしたそうです。また、2月に放送されたバラエティー番組では、教員免許に加えて図書館司書の免許も持っていると明かしていました。教育実習では生徒から全く人気がなかったので芸人になったと山内は謙遜していますが、きっちり資格は取得していますし、ひたむきに勉強できるタイプなのでしょう。意地悪でくせ者という芸のイメージがありますが、意外と優しくて周りに流されない強さもある。お笑い芸人として、そこを視聴者に気付かれないように、あえてテレビでは性格が悪そうな立ち振る舞いをしているのです」(放送作家)

 お笑い評論家のラリー遠田氏は、芸の上では露悪的に振る舞う山内についてこう分析する。

「山内さんは漫才の中で『USJをUFJと言い間違えたことをかたくなに認めない』『となりのトトロを見たことがないことを自慢する』といった偏屈なキャラクターを演じているので、神経質で気難しい人間だと思われているかもしれません。実際のところ、多かれ少なかれそうした部分もあるからこそ、ネタができるのだと思いますが、ネタで演じているキャラクターはあくまでも誇張された姿。そもそも真面目でなければ地道なネタ作りはできないですし、性格が悪ければスタッフに嫌われてしまうので仕事が増えることもないでしょう。山内さんの本来のキャラクターはこれから少しずつ認知されていくのではないでしょうか」

 長い下積み経験に加え、真面目で良い人となれば、てんぐになって嫌われることもないだろう。一周回って、山内が「好感度芸人」になる可能性もゼロではないかもしれない。(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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