もとゆき:ということは、「主張」のところで出てきた「持続可能な社会」になぜ関心があるのかを、はっきりさせないといけないですね。

今道:そうです。これは「理由」の部分です。この問題に関心を持ったきっかけは何ですか? その部分の下書きを、4つの要素を参考に書いてください。

もとゆき:わかりました。こんな感じになりました。

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【下書き(2)】
○「なぜ、持続可能な社会の実現に関心があるのか?」(=理由)
・高校1年生の頃、アルバイトをしていた食料品店で食品が廃棄されているのを見た。そこから、食品ロスについて関心を持つようになったから。
○具体的な行動、関心の中身・社員の方に話を聞いた……消費者が新しいもの、傷がないものを好むから仕方ない。廃棄するのにもお金がかかっているという矛盾。
・プラスチックごみにも関心を持つようになった。
・以上の理由から、持続可能な社会の実現について研究したい。
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今道:これで、なぜ、持続可能な社会の実現に関心があるのか、わかるようになりましたね。では、答案にしてみましょう。最初にまとめた「なぜこの大学を選んだのか」という話と、「なぜ、持続可能な社会の実現に関心があるのか」という話を、1つにまとめるとすれば、どちらを先に書きますか?

もとゆき:今の順番で書くのは変ですか。

今道:ここでは2つの選択を書きますが、「まず、高校1年でこういう経験をして持続可能な社会に関心を持った。その結果、環境分野を学びたいと考えた。そこで、大学案内やオープンキャンパスで調べるうちに、貴学に進学したいと考えるようになった」という前後のつながりがあります。こういう場合、採点者側もそのつながりを追いながら読んでいくので、時系列に沿って書いてもらった方が、スッと納得・理解できます。

もとゆき:なるほど。では、「下書き(2)」を前の方に持ってくる形で答案としてまとめてみます。

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