「今後は(大谷の)チーム内での立ち位置もさらに明確になっていく。チーム予算の中で効果的な強化が必要。大谷も決して例外でなく、投打で球団への貢献度が冷静に評価、判断される。ただし二刀流はメジャーでも前例がないので、GMも難しいはずです」(MLBアジア地区担当スカウト)

 平均年俸は下がっているものの、昨年オフにはコロナ禍でありながら、投手のトレバー・バウアー(レッズからFA)がドジャースと3年総額1億200万ドル(約112億円)で契約。野手のフェルナンド・タティスJr.(パドレス)もシーズン前に、MLB史上最長となる14年、総額3億4000万ドル(約372億円)で契約を延長した。こういった状況、そして大谷のグラウンド内外のインパクトを考えれば、これらに匹敵する契約を手にする可能性も大である。

「投手の方が長期高額契約を勝ち取る場合が多いが、タティスの件もある。まずは今のまま順調に結果を出すこと。どのシナリオになってもチームの勝敗を左右するとともに、巨額のお金が動く。大谷の動向は米国スポーツ史に残るニュースになる。現状、エンゼルスの世界一は難しいと思うから、伝統ある常勝球団での二刀流も見てみたい気もする」(エージェント会社関係者)

 エンゼルスは02年に世界一に輝き00年代は強豪と呼ばれたが、近年はお世辞にも好成績を収めてるとは言い難い。今年も柱であるトラウトが故障で離脱、厳しい戦いが続く。大谷の活躍は全米を席巻し、チームにとって大きな希望だが、今後の先行きが不透明なのも事実だ。

 やはりここまで話題になるのも、大谷の才能が飛び抜けているからに他ならない。日本人的観点からすれば二刀流で活躍してくれれば、ユニフォームがどこであっても誇らしい気持ちに変わりはない。今後もショーヘイ・オータニは目が離せない存在だ。