佐藤輝明選手(写真提供・阪神タイガース)
佐藤輝明選手(写真提供・阪神タイガース)

 もはや新人のスケールを超えている。球界の話題を独占しているのが阪神ドラフト1位ルーキー・佐藤輝明だ。

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 横浜スタジアムで場外アーチ、甲子園で満塁本塁打…度肝を抜く一撃を放ってきた佐藤だが、さらに衝撃的な活躍で球史に名を刻んだのが、「6番・右翼」で出場した5月28日の西武戦(メットライフドーム)だった。2回の第1打席で西武のエース・高橋光成のフォークに泳がされながらも片手1本でバックスクリーンへ11号ソロを放つと、6回の第3打席でも左中間へ12号ソロ。さらに同点に追いついた9回の第5打席で勝ち越しの13号決勝3ランで締めくくった。3球連続スプリットで2球空振りして追い込まれた後の154キロ直球を振り抜くと、打球は右中間最深部へ。打った瞬間に本塁打と分かる打球を佐藤は見上げて歩いた。セ・リーグ新人で1試合3本塁打は1958年の長嶋茂雄(巨人)以来63年ぶりの快挙だった。

「パリーグの選手たちの間でも佐藤は話題になっています。ソフトバンクのギータ(柳田悠岐)も規格外のスケールですが、打球を遠くに飛ばす能力はそれ以上の逸材です。空振りを恐れずフルスイングする打撃スタイルはパリーグの打者に近い。150キロ以上の直球をスタンドの上段に飛ばす日本人選手は少ないです。緩い変化球に対しての反応も巧く、器用さを兼ね備えているので厄介ですね。広い甲子園が本拠地なので開幕前は想像すらしていませんでしたが、今の打撃を貫けば30本塁打どころか、新人の本塁打王獲得の可能性も十分にあると思います」(パリーグのスコアラー)

 翌29日の西武戦は4打数無安打に終わり、チームも0-1で零封負け。18、19年と2年連続本塁打王の実績を持つ西武・山川穂高が2回にバックスクリーンへ決勝アーチを放つと、おなじみの「どすこいパフォーマンス」の後にベンチで佐藤の「Zポーズ」も披露した。お立ち台では「輝明君、エグいですね。かなりエグいと思います」と佐藤を絶賛。「全然勝てないですね、あんなもん、はい」と長距離砲としての素質に脱帽した。

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